約90haに及ぶススキの大草原が広がる砥峰高原ですが、秋になると全面に黄金色に変わり、その美しさから多くの観光客を集めています。とはいえ緑に輝く夏もおすすめ。まだ緑色のススキが夏の日差しを浴びて一面に輝く様は圧巻です。
夏の青空に緑の高原はよく映えます。ススキの時期より人が少なく駐車場も無料なのでゆっくり景色を楽しめるのがありがたいですね。
標高1000m弱のところに位置しているので麓より少し涼しい気がしました。
砥峰高原は映画やドラマのロケ地となったことでも有名です。映画「ノルウェイの森」や「燃えよ剣」をはじめ、NHK大河ドラマ「軍司官兵衛」や「平清盛」など、多くのロケ地として使われました。映画などを見た人は「ああ、あの場面か」と思い出すかもしれません。
一番眺望がよい場所にはロケ地になった記念にプレートが設置され、絶好の撮影スポットとなっています。
高原には3キロ余り散策道がついていてゆっくり歩いて1時間半ぐらいで一周できます。
さらに峰山高原まで歩きたい人のためのハイキングコースも。ただしクマなど野生動物の目撃情報もなきにしもあらずなので、大人数で歩くか鈴をつけたりラジオを付けることをおすすめします。
散策道は整備されて全体に歩きやすいですが、所々に大きめの石が転がっていたり、急な上り坂もあるのでスニーカーなどが歩きやすいでしょう。
いろいろな方向から、少しずつ違った景色を見るのも楽しいです。
少し登ったところから見るときわめて起伏の少ない高原状の地形が見られます。これは周氷河地形と呼ばれるもので、かつて水分の凍結,融解が激しく行われたために山頂部や突出部の岩石は破砕によって崩落し、凹部は崩落した岩石で埋まったためにできた地形なんだそうです。
一方、高原内にはいくつかのこんもりと盛り上がった小丘が見られ、また浅い谷がいくつも走っています。秩序がないこのような地形はタタラ製鉄で使う砂鉄を採掘したためにできた人工的な地形なんだとか。
自然と人の手による融合が美しい地形を生み出してくれたんですね。
途中、せせらぎの音が聞こえたり
高山植物や季節の花が見られたりもします。
こんな緑色のススキが秋になると黄金色に輝くんですね。
所々にベンチがあって休憩できるのがありがたいです。一息入れるのに飲み物を持っていくのがいいでしょう。
いよいよ散策道で一番高い所にある展望台へ。景色が期待できます。
思った通りの雄大な景色!「とのみね自然交流館」が小さく見えます。いつまでも眺めていたくなります。
映画のワンシーンになるような風景があちらこちらに。
下へおりると池を見つけました。水面に夏空が映って鏡のようです。
木道が作られていたり小川が流れていたりと、山の上の方まで登らなくも楽しめそうです。
最後に「とのみね自然交流館」もご紹介しましょう。
神河町のマスコットキャラクター・カーミンがお出迎してくれました。
砥峰高原の保全と管理の拠点として作られた「とのみね自然交流館」は野外活動や自然観察を楽しむためのベースキャンプとしての役割も担っています。内部には映画などのロケシーンの写真が展示され、制作の様子を知ることができます。
木造の建物は温かい感じ。テラスや階段も木造です。ここからの眺めも最高。
スタッフが常駐しているの何かと心強いです。
ゆったりとした空間の内部。
雄大な景色を前に、コンサートが開催されることも。
施設に隣接した平家そば処「交流庵」では、打ち立て、湯がき立てのお蕎麦を食べることが出来ます。素晴らしい景色を堪能しながらテラス席で食べることも可能。美味しさも倍増するに違いありません。
*砥峰高原は無料で入ることができて、時間も定められていませんが、くれぐれもマナーは守りましょう。
ひとこと
ススキのイメージが強かった砥峰高原ですが、一面に緑に輝くの夏も最高でした。近代以前は茅葺屋根材の茅の伐採地であり、茅の生育を維持するために毎年雪解けの時期に山焼きが行われてきたといいます。茅を伐採しなくなった現在もススキの大草原を維持するために山焼きが毎年3月に行われているとのこと。人々の生活の必要性と景観を守る後人の心遣いから素晴らしい景色を堪能できることに感謝したいと思いました。
施設 | とのみね自然交流館 |
住所 | 兵庫県神崎郡神河町川上801 |
電話番号 | 0790-31-8100 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
休館日 | 月曜日 |
入館料 | 無料 |
駐車場 | 無料(ただしススキの時期は有料) |