福本藩主池田政直によって開基された徹心寺、福本藩陣屋跡辺りは季節になると木々が赤や黄色に色づいて美しい景色を見せてくれます。無料駐車場もありますので、車を停めて初冬の風を感じながらゆっくりと散策することができます。
徹心寺の山門は一間薬医門茅葺で全国的にも珍しく貴重な建物です。門の扉に使われている八双金具(肘壺金具)に「天保第九夏六月」と刻まれていることから、天保9(1838)年に作られたと考えられます。平成19年3月には県指定文化財に指定されました。
山門までは若干登り坂になっていて、両側の苔むした石垣や季節ごとに姿を変える木々が独特の情緒をかもし出してくれます。
屋根の茅の厚みがすごい!
本堂も入母屋造りの茅葺き屋根。歴史を感じさせてはいますが、荘厳な作りでボリュームもたっぷり。由緒ある寺であることが伺えます。屋根を支えている柱や梁の細工や木組みも素晴らしいです。
山門や本堂の屋根の葺き替えに使われる茅はたびたび映画の舞台にもなっている神河町内の砥峰高原から運ばれるのだとか。
庭の紅葉と茅葺き屋根の本堂がよくマッチしますね。
境内の裏にある墓所には池田家当主歴代の墓があります。寛文3(1663)年の立藩から明治4年の廃藩置県までの約210年間この地を預かり治めた代々藩主の石造五輪塔もあり、苔むした墓石と相まって歴史を感じさせるところとなっています。
所在地 | 679-2415 神河町福本402 |
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電話番号 | 0790-32-0161 |
徹心寺から国道312号線を姫路方面に200mぐらい歩くと福本陣屋跡の標識が見えてきます。
標識を左に曲がると遠くに鳥居が見えてきます。大歳神社の鳥居です。この辺り一帯が福本藩陣屋跡になります。姫路城を築造した池田輝政を父、徳川家康の次女督姫を母とする三男松平輝澄の嫡男政直が興した、福本藩の御殿跡です。
大正2年に大歳神社が遷座されて、小規模ながらも池泉回遊式の大名庭園の一部が保存されました。苔むした階段が歴史を感じさせてくれます。
池の周りは散策道がついていてベンチで休むこともでき、ゆっくり紅葉した風景を楽しむことができます。